自閉スペクトラム症(ASD、アスペルガー症候群)

ここでは自閉スペクトラム症のお子さんの特性をみていきます。
一般的に「広汎性発達障害(PDD)」と言われるものと同義ですが、このページでは「自閉スペクトラム症」として説明します。

主な特性

☆「空気」を読むことが苦手。

  • 叱られている時でもニコニコ笑ってしまう。
  • 太っている子に対して「君、太ってるね」と言ってしまう。

☆友達を作ったり、良好な関係を保っていくことが難しい。

  • 自分の好きなものや相手の好きなものの共有(ジョイント・アテンション)をしようとしない。

  • 響き自体が心地よい言葉や同じフレーズを何度も繰り返して、「しつこい」をしつこいと思われてしまう。

☆特定の物や動作に関して強いこだわりがある。

  • 電車、バス、飛行機など、「その物自体の形や図柄が変わらないもの」の種類や名前を大量に暗記している。
  • くるくる回る、飛び跳ねるなど、同じ動作をずっと繰り返す(常同行動)。

☆さまざまな感覚にかたよりがある。

  • 痛みを感じにくく、血がにじむまでかきむしってしまう(自傷行動)。

  • 姿勢が崩れやすく、周りからは「だらしない」「やる気がない」と思われてしまう。

☆予期しない変化を苦痛に感じる。

  • いつも通りの通学路が工事中で通行止めだと不安になってしまう。

  • いつも同じ場所にあるはずのおもちゃが別の場所に移されているとパニックになってしまう。

☆あいまいな表現が苦手。

  • 「猫の手も借りたい」「ほっぺたが落ちる」などの慣用句を言葉の意味のまま捉えてしまう。

  • 「そろそろ時間だから」「まっすぐ帰ってね」「頑張りなさい」「やることやったの?」等のあいまいな表現の真意をくみ取ることができない。

このように接してあげましょう

指示をするときは「注意を向けさせてから」「1つずつ」

×…「お皿を持ち上げて机を拭いてください」
○…「今からやってほしいことを言います」→「お皿を持ち上げてください」→「机を拭いてください」

予め「見通し」を立てておき、「急な変更」に備える

(地図を見せて…)「今日はこの道路が工事中だからこの角を右に曲がってね」
(外食に出かける前…)「Aレストランが満員で入れなかったらBレストランに行こうね」

あいまいな表現を避け、はっきりと具体的な言葉で話してあげる

×…「もう何時だと思ってるの?」
○…「もう10時を過ぎたから寝ようね」

自閉スペクトラム症の色々

名前の由来は?

上記の通り、他人に関心が向きにくくひとりを好む傾向があることから「自閉」という言葉が用いられるようになりました。
また、「スペクトラム」は「連続体」という意味の英語です。以前は「自閉症」という単体の言葉が使われていましたが、最近では「高機能自閉症」や「アスペルガー症候群」などの類似した症状や、この後に登場する「ADHD」や「LD」などといった他の発達障がいの特性と連続し、重なり合う部分が多く見られるようになったことから「自閉スペクトラム症」という言葉が使われるようになりました。

しかしこれらはあくまでも「診断名」にすぎません。発達障がいには明確な境界線があるわけではなく、医師によって診断名が異なることも多々あります。大切なのは診断名にとらわれずその子にとって適切な支援を根気よく続けていくことです。

地域や性別によって差はあるの?

自閉症の特性を持つ子どもはどの地域にも1万人あたり15~20人ほどいると言われています。また、男女比は概ね「男子4:女子1」の割合で存在すると言われています。

「高機能自閉症」とは?

一般に自閉症の特性を持つ子どもの中でIQ(知能指数)が70以上だと高機能自閉症に分類されます。高機能自閉症は知能に明らかな遅れはない(しかし言葉の遅れはあり)ということを意味し、特性が軽度であったり見えづらかったりするというわけではありません。

アスペルガー症候群

アスペルガー症候群(オーストリアの精神医師ハンス・アスペルガーの名にちなむ)は自閉スペクトラム症の中にまとめられます。
しかしIQが70以上(知的な遅れがない)という特性があり、更に言葉の遅れもないため学童期まで障がいに気づきにくいことがあります。

「言葉の遅れがない」という点で「高機能自閉症」とは異なりますが、類似した点を多く持ち合わせています。

※2013年より診断上、「アスペルガー症候群」の名称は消えましたが、広く使われてきた言葉のため現在でも未だに使われていることが多いです。

主な特性

☆言葉の発達がむしろ「早い」

  • 年齢に不相応な難しい単語や大人っぽい話し方をする。

  • 同年齢の子どもよりも大人との会話を好む傾向がある。

このように接してあげましょう

はっきり言ってあげる

アスペルガー症候群の場合知能の遅れ・言葉の遅れは無いものの、自閉スペクトラム症の特性に見られるように「遠まわしな表現」や「比喩を使った表現」は苦手なため、短い言葉で端的に話してあげることの方が意図が伝わります。

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