ADHD(注意欠如・多動症)
ここではADHD(注意欠如・多動症)のお子さんの特性をみていきます。
主な特性
☆明るくて元気
- テンションが高く、周りを明るい雰囲気にしてくれるが、度を超えてしまうことがある。
☆常に動き回っている
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授業中じっと座っていられず、立ち歩いてしまう(身体の多動)。
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しゃべりだしたら止まらず、話に割って入ったり、一方的に話したりしてしまう(口の多動)。
忘れっぽい
- 筆箱、絵の具、リコーダーなど、必要なものをどこかに忘れてきてしまう。
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計算問題で、単純な計算ミスや繰り上がりなどを忘れてしまう。
☆集中のONとOFFが極端
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周囲の音や景色などに敏感に反応するため、目の前のことに集中するのが難しい。
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一旦集中のスイッチが入ると話しかけても気が付かないことがあり、最後までやり終えないと気が済まない。
☆ボーっとしているように見える
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自分の好きなことばかりを考えていることが多いため周りからは上の空でいるように見られてしまう。
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興味関心の範囲が狭く(自閉スペクトラム症と類似)、相手のことには無関心なため「無視された」と誤解されてしまう。
☆考える前に行動してしまう(感情や欲求のコントロールが苦手)。
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先生から指名されていないのに答えてしまう。
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順番を待つことができずに割り込み・横入りをしてしまう。
このように接してあげましょう…
何らかの「役割」を与えて「動ける時間」を設けてあげる。
×…「じっとしていなさい!」
○…「犬の散歩に行ってくれる?」「○○を買いに行ってくれる?」
イラストや表を用いて一緒に持ち物を確認する。
自分ひとりの力で持ち物をそろえるのは難しいので、時間割表や筆箱のイラストなど視覚的なアプローチを使って、根気よく、一緒に確認してあげましょう。
ネガティブな言葉ではなくポジティブな言葉がけを(成功体験を増やす)。
×…「今日は10分しか座れなかったね…どうしてもっと座っていられないの?」
○…「今日は10分も座れたね!昨日は5分だけだったのに、すごいね!」
↑ネガティブにもポジティブにも捉えられる場合はポジティブに捉えてあげるようにしましょう。
ADHDの色々…
名前の由来は?
英語のAttention Deficit(注意欠如)・Hyperactivity Disorder(多動症)の頭文字をとってADHDと呼ばれています。多動性(動き回る)・不注意(ボーっとしている)・衝動性(コントロールがきかない)という3つの主な特性がありますが、必ず3つの症状全てが均一に表れるわけではありません。多動性だけが極端に見られることもあれば不注意と衝動性の2つが表れることもあります。
子ども自身はどう思っているの?
例えば周囲からは「落ち着きのない子」と見られたとしても、その子本人にとっては至って「当たり前のこと」「ふつうのこと」をしただけであり、決して悪気があっての行動ではありません。ですから「どうしてボクはふつうのことをしただけなのに怒られなきゃいけないんだろう」と思っている子が少なくありません。そういった意味では、障がいの特性に最も苦しんでいるのはその子自身と言えるのかもしれません。このネガティブな感情が膨らんでいくと、やがて「自信喪失」や「うつ」などの二次障がいを引き起こす原因となってしまいます。ほんの少しの成長であっても(例えばイスに座っていられる時間が1分伸びた)それを見逃さず、その都度よく褒めてあげましょう。根気のいることですが、こうした経過を経て初めて自己肯定感は育まれていきます。