普通学級に通う児童でも放課後等デイサービスは利用できるのか?
責任者の上杉です。
あすぽーとOPENに向けて、さっそくチラシやHPを見たという方からお問い合わせをいただきました。
今現在、受給者証をお持ちで放課後デイ利用の仕組みもご理解されているという方がほとんどでした。
一方で放課後等デイサービスを全く利用したことのない保護者の方から、このようなご質問をいただきました。
現在は特別支援級ではなく、普通級に通っていますが、子供の発達の遅れに心配があります。
今回はこちらの質問にお答えしながら、放課後等デイサービスにも様々なタイプがある、といったお話をさせていただければと思います。
放課後デイを利用している児童の在籍学校・学級の割合
一般的に、放課後等デイサービスを利用している児童が通っている学校・学級の種別はどのような割合になっているのでしょうか。
平成25年7月に行われた「放課後等デイサービスに対する保護者のニーズ及び実態の調査について」というアンケートの中では、現在放課後等デイサービスを利用している228名の回答中、普通級に通っている生徒が20名とのことでした。
在籍している学校・学級の種別について
特別支援学校 | 163名(71.4%) |
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特別支援学級 | 58名(25.4%) |
通級指導教室 | 2名(0.8%) |
普通学級 | 20名(8%) |
2年前の実態調査で少しデータが古い、というのもあると思いますが、私個人としては「普通級に通っている児童の割合が少ないな」という感想を抱きました。
一般的には放課後等デイサービスは特別支援学校に通っているような重度の障害を抱えた児童の利用が中心だったということだと思います。
まだまだ制度自体の認知も広がっていない層の保護者の方も多いのでしょう。
ちょっと最新のデータは見つからなかったですが、今はこの割合もだいぶ変わってきていると思います。
それはなぜかというと、私自身の経験として発達障害の児童がとても増加していることに関連します。
発達障害のお子さんに合う放課後デイが見つからなかったお母さん
学習塾で発達障害のお子さんを指導しながら、保護者の方に放課後等デイサービスのお話を聞く機会も多かったです。
その中で、私が良く聞いたのが「発達障害の子に合った放課後デイがなかなかない」というものでした。
ある小学4年生の高機能自閉症の生徒。学校では普通学級に通っています。
でもやはりコミュニケーション面や集団適応、学習面(算数はとても得意でしたが漢字を覚えるのがとても苦手でした)での心配があり、放課後デイの利用を検討されたようです。
そして近くの放課後デイ事業所を何件か見学に行かれたそうです。
しかし利用している児童の障害の程度などから、中々お子さんに合う場所がなかったとおっしゃっていました。
普通級に通っている軽度の発達障害の児童でも放課後等デイサービスは利用できます。
放課後デイの事業所もサービスや療育の内容で様々なタイプに分かれますが、私たちあすぽーとのように軽度の発達障害の児童の学習支援や集団遊びのプログラムに力を入れている事業所の場合、普通学級に通っている児童の割合もかなり多くなると思います。
もちろん、支援学級の生徒にもとても多くご利用いただくと思いますが、普通級、支援級を問わず「軽度の発達障害」に合ったプログラムを提供している事業所はまだまだ少ないように感じます。
事業所ごとの特色があります。
ひとくちに「放課後等デイサービス」といっても事業所ごとに特徴や特色が違います。
比較的に障害が重度の児童が利用している預かり中心の事業所もあれば、発達障害のような軽度の児童の利用が多い事業所もあります。
このあたりは電話などで事業所に問い合わせをすれば、どこの事業所もとても丁寧に教えてくれます。
私も何件か放課後デイ事業所の見学にお邪魔させてもらいましたが、やはりどの施設責任者の方も「自分たちの事業所の利用者の障害度の程度やプログラム内容とお母さんのニーズが合わない場合はできるだけ他の事業所を紹介するように努めている」ということでした。
このあたりは高齢者デイサービスにおけるケアマネージャーのような仕組みがまだまだ整っていないことも原因にあるのと思います。
ですから、自分のお子さんがその事業所に合っているかな?と思われる場合は是非見学に行って、責任者や管理者の方に率直に「うちの子はこちらに合っていますか?」と聞いた方が良いと思います。
大事なのは、お子さんに合った環境を選ぶこと
普通学級に通うのか、支援学級に通うのか、放課後デイもどんなところを選ぶのか。
一番大事なことは「お子さんに合った環境を選ぶこと」だと思います。
放課後デイに関して言えば、現在はほとんどの利用者の方が複数の事業所を掛け持ちで利用しています。
月曜と木曜は運動中心のA事業所、火曜と金曜は勉強中心のB事業所・・・といった具合です。
複数の事業所を掛け持ちで併用する場合は、お住まいの市役所、区役所にご報告をお願いします。
わたしたちあすぽーとも少しでもお子様の発育に力になれるよう、日々の療育に力を入れていきたいと思います。